陰と陽とは古代中国の思想に由来し、
すべての物事を「陰」と「陽」という2つの相反する性質に分けて捉える考え方
しかしそれは善悪や優越ではなく、対立しながらも補いあう関係性を意味します。たとえば、、、
陰 | 陽 |
---|---|
月 | 太陽 |
夜 | 昼 |
地 | 天 |
曇 | 晴 |
下 | 上 |
水 | 火 |
涼 | 温 |
右 | 左 |
西 | 東 |
北 | 南 |
女 | 男 |
このように、陰と陽は互いに依存しバランスを取りながら世界を成り立たせていると考えられています。
陰がなければ陽は存在できず、逆もまたしかりです。
この関係性を象徴するのが、白黒の勾玉(まがたま)が絡み合う「太極図」です。

さらに深めます
陰の中にも陽があり、陽の中にも陰がある。 (黒の勾玉の中の白 白の勾玉の中の黒)
一方の中にもう一方の要素が含まれているという柔軟な見方もあります。
例えば「夜明けは陰の中の陽」である、「夕暮れは陽の中の陰」と考えられます。
陰陽のバランス感覚
この陰陽の考え方はあらゆるものに応用されてきました。
季節・感情・食事・身体の状態など。
つまり陰陽の概念を知ることで、ご自分の心身のバランスを知ることになり、調和が大切であると気付くのです。
薬膳に結び付ける
中医学では陰と陽の両者のバランスが崩れると不調が生まれるとされます。
もちろん私たちの体も心も同じです。
ストレスで「陽」のエネルギーを強く感じることで眠れなくなったり、イライラしたりと生活が乱れることになりかねません。
また「陰」が不足すると乾燥や慢性的な疲れなど、様々な変化が現れます。
こんな時、薬膳の知識で陰と陽のバランスを整えるのです。
例えば、黒豆、百合根、クコの実などを積極的に取り入れると過度な「陽」の状態を静めることができ、リラックスへと心のバランスが整います。また冷えや疲れに悩むときには「陽」を補う温かい性質をもつ食材である生姜、ニンニク、鶏肉などを取り入れるとやる気がでてくる方向へ心のバランスが整い始めるのです。
陰陽はこていされた体質だけでなく、季節・気候・そして心の動きに応じて変化していくものです。また決して良い悪いの二極性をしめしているのでもありません。
薬膳は「今、ここにいる自分と丁寧に向き合う」ものなのです。